安定型次亜塩素酸ナトリウムとは

「安定型次亜塩素酸ナトリウム」とは一般的な次亜塩素酸ナトリウムとは違う製造工程で作られた新しい次亜塩素酸ナトリウムで、有効塩素濃度の低下が非常に遅く、主に除菌・消臭剤の原料に使用されています。

「安定型」という名前がついている理由

一般的な次亜塩素酸は不安定物質といわれ、常時活動しています。
常時活動する=取り扱いに注意が必要、保存時に性能の低下が進む、ということであり、長期保存には向いていません。

しかし「安定型」次亜塩素酸ナトリウムは普段眠っています。そして、ウイルスや菌に触れた瞬間だけ目覚めて活動することから、安定型と名づけられました。
使用しない時は眠っているため、有効塩素濃度の低下が非常に遅く、長期間の保存が可能になりました。

次亜塩素酸ナトリウムという物質の特性について

一般的に次亜塩素酸ナトリウム(化学式NaClO)は、塩(塩化ナトリウム:化学式NaCl)と酸素原子(化学式O)が結合した物質であり、有機物等との接触により酸素原子を放出して有機物菌・ウイルス・ニオイの原因物質等を酸化させる反応により除菌・消臭効果を得ることができます。

また、有効塩素濃度が高ければ、染め物などに使用されている染料や顔料も酸化作用で分解することが出来るため、漂白剤の原料にも使用されています。
※ 漂白剤で使用される一般的な次亜塩素酸ナトリウムの有効塩素濃度は6%(60,000ppm)という高濃度で強アルカリ性のものを使用して製造されます。

※ そもそも次亜塩素酸ナトリウムは酸化作用により、さまざまな菌やウイルスに対しての殺菌効果が認められていて、厚生労働省の指導指針により水道水・プール・循環式温浴施設などでの水の消毒に使用されており、その他医療施設等での消毒など昔からさまざまな場所で活用されている薬品の1つです。

有効塩素濃度の半減期について

次亜塩素酸ナトリウムという物質は科学的に不安定な物質で、有機物との接触がなくても酸素原子を放出して分解してしまう特性があります。
そのため、製造後1~3ヶ月ほど経過すると有効塩素濃度が半減してしまい、除菌や消臭の効果効能が無くなっていく性質があります。

  1. 一般的な次亜塩素酸ナトリウム製品:40~90日
  2. 電解次亜塩素酸ナトリウム*製品:30~90日
  3. 安定型次亜塩素酸ナトリウム製品:2年間はほぼ変わらず、以降は緩やかに下がっていきます。

*電解次亜塩素酸ナトリウムに希塩酸等を加えて液性を酸性にした酸性次亜塩素酸ナトリウムが『酸性次亜水』や『次亜塩素酸水』の原料として使用されています。

上記のように1と2の次亜塩素酸ナトリウムを使用したものは、製品化してから3か月を目安に使い切らなければ除菌効果が激減してしまうのに対し、3の安定型次亜塩素酸ナトリウムを使用した製品は有効塩素濃度の半減期が約2年と長期間、除菌効果を維持できるので1と2の次亜塩素酸ナトリウムを使用した製品より長期間の保存・使用が可能になります。

なお、1~3の次亜塩素酸ナトリウム製品すべてに共通することですが、高温になる場所や直射日光・紫外線にあたる場所で保管した場合、有効塩素濃度の低下スピードが加速してしまいますので冷暗所での保管をお勧めします。

次亜塩素酸ナトリウムの液性はアルカリ性であり、有効塩素濃度が高いと強アルカリ性で取り扱いには充分注意が必要になりますが、水で希釈して有効塩素濃度を低くしていくと、強アルカリ性→アルカリ性→弱アルカリ性に変わり取り扱う際の安全性が高くなります。

SOについて

SOは安定型次亜塩素酸ナトリウムを主原料とし、RO水*を使用して希釈して有効塩素濃度を200ppmに調整した製品です。

RO水とは、逆浸透膜を通して水道水に含まれる不純物を取り除いた超純水です。
特殊なろ過方法や殺菌方法などを施すことで、水道水やミネラルウォーターなどからミネラルや最近を除去・除菌したものを「純水」といい、その中でも日本薬局方が定める、まったく不純物を含まない倫理純水の数値に限りなく近い数値の純水を「超純水」と呼びます。

実は水道水には様々な不純物が含まれています。
次亜塩素酸ナトリウムを水道水で希釈すると、水道水に含まれる有機物(不純物)と接触した次亜塩素酸ナトリウムが不純物を分解するため有効塩素濃度が低下してしまいます。

長期間にわたる有効塩素濃度を保持するために、SOは安定型次亜塩素酸ナトリウムを超純水(RO水)で希釈・調整して製造しています。
アルコールや、その他の添加物を一切使用しない安定型次亜塩素酸ナトリウム単一製剤です。

SOの有効塩素濃度は200ppmに設定していますが、これは、厚生労働省のノロウイルスやO-157など食中毒における2次感染防止のマニュアルでの記述で、嘔吐物などの処理を行った後に、200ppmに希釈した次亜塩素酸ナトリウムでふき取ることとされる指針をもとに200ppmに設定しております。

SOの効果検証・安全性検証

SOの効果検証・安全性検証は下記の試験を行っています。

  • ウイルス不活性化試験
  • 除菌効果試験
  • 消臭効力試験
  • 24時間閉塞ヒトパッチテスト